ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年11月23日
 Hefty Fine

 もはやこの世界の常識なんてのは、ほとんどが非常識と同義なのだから、どれだけバカでいられるか、そのリミットの外し方にブラッドハウンド・ギャング(BLOODHOUND GANG)の本分を見ていた僕のようなリスナーにとって、この、約6年ぶりの4枚目となる『ヘフティー・ファイン(HEFTY FINE)』は、ややマイルドな趣きに聴こえる。だけど、それもけっして悪くはなかった。前作『フレー・フォー・ブービーズ(HOORAY FOR BOOBIES)』において、それこそサンプリングのネタ的に用いられていた80年代ニュー・ウェーヴのセンスは、ここでは、サウンドの方向性を左右するベタな扱われ方をしている。ヒップホップやクロスオーヴァー的な、脱力のコントラストは、かなり後退している。時代の趨勢に合わせたみたいに、ネタからベタへといえば、たしかにそのとおりの変容である。が、しかし、それは明らかに意識的なものだろう。上辺のメロディは、やけにメロウでシリアスなのに、うたわれるフレーズの一個一個は、相変わらず思慮の欠いた、下品なものばかりである。ファックとかディックとかゲロとかクソとか。考えようによっては、内容と表現の間に埋めがたいギャップがあるということになるけれども、その本末転倒の素振りこそが、翻って、根暗なアイロニーのように機能している。ソング・ライティングは上々なのに、中身の空っぽであることが、工学的にすぎるこの時代への手痛い批評となっているのだ。6曲目「一家下痢心中」や10曲目「新・ペンシルヴァニア州歌」、12曲目「激烈バカ一代」などは、いやしかし、すごい邦題だなあと思うけれど、パワー・ポップとして、ふつうに楽しい。ひじょうにマトモな仕上がりである以上、アルバム・ジャケットの酷さ、底の抜け方は、ひとつの騙しだとして、欺かれたほうが悪い、負けである。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽。
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