ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年05月09日
 ハワイにだってクソみたいな奴はいたんだから、そりゃあ横浜にだってクソみたいな連中はいるだろうよ。市松高校と城南高校の抗争に介入し、はからずも千葉最強を達成してしまった難破剛が、またもや不本意なかたちで、しかも今度は県外にまでおもむき、横浜の不良と対決することになる、というのが、この小沢としおの『ナンバMG5』15巻にもたらされる新展開なのだけれど、まあ、剛に正義感がなく、またお人好しでもなければ、そんなことにもならなかったんだから、自業自得といえるのかもしれない。が、しかし、そこがたまらないんだよね。自意識の壊れた暴力的な存在が少年院を出てくる、こうしたシチュエーションとそれにともなう脅威の到来は、この手のジャンルにアリガチなものであるにもかかわらず、彼ならば何とかしてくれるだろう、の人柄がつよいフックとなり、ますますおもしろく感じられるし、たいへん胸を熱くさせられる。地味だが、美術部の後輩である牧野を心配するうちに知り合ったレディース、横浜魔苦須(マックス)の面々に見込まれ、自己紹介を受ける場面が、好きである。〈中学んとき みんなにカバって言われてたから…〉カー子と呼ばれる女性に〈そっか〉と答える表情、〈バカだけど力だけは強い〉ので〈フランケンって呼ばれてた〉フー子に〈わ…悪かったな デケェなんて言って…〉と謝るときの右手、もちろん彼女たちの性格の良さがあってのことだとしても、こういう些細な描写に剛の魅力がよく表されているように思う。副総長であるナンシーの自己紹介で、微妙になった空気を、さりげなく元に戻すような、作者の気配りとセンスも注目に値する。自分と同じく二重生活を送る牧野に、剛が興味を持ったのが、そもそものきっかけであるけれど、今回のエピソードを通じて強化されるのは、たぶん、仲間の重要性とでもすべきラインだろう。千葉に引っ越し、家族に心配をかけまいと普通の女子高生を装うが、魔苦須の危機に、ふたたび横浜へ駆けつける牧野の姿は、ごく一般的な(シャバいともいう)高校生活を過ごしたいのに、仲間の危機にさいしては特攻服を着るのを厭わない、そういう剛の態度とだぶっている。そして次巻では、ケルベロスのキング、光一の本格的な登場が、彼の、暴力ですべてを屈服させる狂気が、剛の、それはすなわちこのマンガの持っている健全さと、直接に対決することとなるのだった。それにしても、難破家の愛犬である松のかわいさは、あいかわらず、ずるい。上を見上げる目線とか、やわらかそうな毛並みとか、ちょっとした動作や擬音にいたるどれもが、いちいちキュートすぎて、最高潮に和む。このペット・マンガがすげえ、ということで、ブレイクしたりしないかな。

 14巻について→こちら
 12巻について→こちら
 11巻について→こちら
 10巻について→こちら
 9巻について→こちら
 8巻について→こちら
 5巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら
 1巻について→こちら

 1話目について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
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