ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年04月29日
 ラブファイター! 1 (1) (フラワーコミックス)

 けして高い学力の持ち主ではない小川奈実が、受験勉強に励み、わざわざ〈中高エスカレーター式で高校からの入学はほんのわずか〉の私立若宮学園高等部に入学したのには、おおきな理由があった。それは、半年前にピンチを助けられ、一目惚れした男子生徒にもう一度会い、〈ありがとう〉と伝えるためである。しかし、いざ再会したその男子、桜木遼は、初対面のやさしかった印象とはまったく違い、〈不動のイケメン特待生ってことで有名なんだけど…それよりもさらに有名なことがあって 超モテるのにどんな女にも一切なびかず しかもこっぴどくふる 難攻不落の冷血王子ってコトで――…〉学校中に知られた人物であった。そのような導入によって、藤沢志月が『ラブファイター!』の1巻で描きはじめるのは、つまり、ホットなヒロインがクールなイケメンさんにアタックする、といった構図であって、こうしたこと自体はそれほどのインパクトを寄越さないであろう。だが、特筆すべきなのは、〈なっにが難攻不落の冷血王子だっ あんたなんか あんたなんか――このあたしがオトしてやる!!!〉という奈実の、遼に対する猛烈なアプローチが、校内で、生徒ばかりではなく、教師をも巻き込み、壮大な賭けの対象として成立している点だと思われる。このアイディアは、たいへんおもしろい。ある意味では、恋愛という行為が、リアリティ番組的な設定の内に組み込まれ、さらには当事者以外にも利害関係を生じさせているわけで、その、外野の思惑が、ときには障害となったり、ときには後押しとなったり、間接的にだが、奈実の片想いに介入してくるのである。おそらくは、そうした外野の存在に影響されない、ピュアラブルなエモーションのあることが、今後の展開によってテーマ化されてゆくのだと考えられるけれど、さて、そのへんをどうやってまとめるのか、完結編であるらしい次巻を待ちたい。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック