ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年04月11日
 このところ、バレーボール・マンガが好調である、との印象を受ける。大島司の『アタック!!』や日本橋ヨヲコの『少女アタック』、高梨みつばの『紅色HERO』などは、90年代における、満田拓也『健太やります!』やヒラマツ・ミノル『ヨリが跳ぶ』以来の、ひさびさのヒット作であろう。すこし前であれば、梅田阿比の『フルセット!』も、そこに含められたのだが、残念ながら現在は連載が終了している。キュートな男子たちがわんさか登場する作風は、バレーボール版『おおきく振りかぶって』といえなくもないキャッチーなものであるし、『このマンガがすごい!2008』には作者のインタビューが掲載されるなど、そこそこ注目を集めていたようではあるが、しかしまあ、たしかに弱点の多いマンガでもあった。スポーツをフィジカルとメンタルの二面で表現するとしたら、『フルセット!』は、あきらかにメンタルの面に重点を置いているのだけれど、その精神論とでもいうべきものに、あまり高い説得力が備わっていなかったのも事実で、それというのはおそらく、体の弱い主人公が、バレーボールとの出会いを通じ、精神を鍛えられる、こうしたストーリーの流れにおいて、個人にかかってくるガッツと成長、そして団体競技だからこそのガッツと成長の、要するに、努力と置き換えても良いような前者と友情と置き換えても良いような後者の双方を、うまくディレクションできなかったためだと思われる。ようやく足並みが揃い、当初よりよく描けていた中学生という幼さの、その先にあるものが見えてくるのは、この4巻の、強敵である桐条中学バレーボール部との試合の最中の、とくに終盤に至って、である。ややスロー・スターターな展開は、週刊連載の形式には向いていなかったのかもしれない。いずれにせよ、次巻でラストを迎える。

 『幽刻幻談−ぼくらのサイン−』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
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