ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年04月09日
 同時リリースとなったシングル『Kurikaesu 春』を聴いて、244 ENDLI-x(ツヨシエンドリックス)の目指している方向性は、要するに、同時代的か周回遅れか微妙なセンのテクノ・ポップなのかあ、と思い、フル・アルバム『I AND 愛』に関しては、つまり、堂本剛版『ZOOROPA』もしくは『KID A』というセンもありうるかもしれない、と思う。ENDLICHERI☆ENDLICHERI名義で追求されたファンク・ロック調のバンド・サウンドが顕著なのは、5曲目の「Gotta find the way to go!」と続く6曲目の「Love is the key」、あとは10曲目の「Silent love」ぐらいで、大部分を、ヴォコーダーに打ち込み、過剰にデジタル加工の為されたナンバーが占め、ときにはダンサブルであったり、スタティックに内省の物語がうたわれたり、そのメロディやアレンジの面に、らしさ、が刻み込まれる。架空のキャラクターであるSankakuをヴォーカルに据えた9曲目「SPACE kiss」は、完全に記号的かつ匿名的な世界を狙っているけれども、あきらかに堂本剛のイメージが透けてしまっており、この手のアプローチにおいてはそれを、徹底されていないと見るべきか、アーティスト・サイドの個性がつよいと見るべきか、判断は迷うところだ、が、あえて安っぽく、ふざけているようでありながらも、バックのビートは心地好く、楽曲のクオリティそのものは高い。むしろ、これを地の声で熱っぽくやってもらって欲しかったぐらいである。まあ、そうすると13曲目の「愛 get 暴動 世界!!!」と被るところも出てくるか。アルバムをトータルで捉まえたさいのバランスもひじょうによく考えられている。ハイライトはいくつもある。リズムに凝りつつ、東洋的というか和風な旋律が挿入される3曲目の「深紅なSEPPUN」のチャーミングさも堪らないし、タイトルどおり「Help Me Help Me…」という悲痛なコーラスを繰り返して終わる7曲目から、なだらかに盛り上がる8曲目のバラード「春涙」には、このアーティストの持ち味と喩えられる、センシティヴな揺らぎがフルに発揮されており、その歌声が、たいへんエモーショナルであるため、せつなさを覚える。そうした全部を引っくるめて、これまでの堂本剛のソロ・ワークのうちでも、かなり上位に推したい内容の作品だといえる。

 『Coward』について→こちら
 「ソメイヨシノ」について→こちら
 [si:]について→こちら

 『僕の靴音』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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