
サンディエゴのポップ・ユニットPINBACKの片割れ、ROB CROWによるサイド・プロジェクトであるGOBLIN COCKの、ファースト・アルバムになるのかな。PINBACKといえば、ヒネリ系のローファイ・センスと聴かせ系のメロディ・ラインが作り出す浮遊感が売りであるわけだが、しかし、この『BAGGED AND BOARDED』にて繰り広げられるのは、それとは、まったく毛色の異なる音世界なのであった。アコースティカルなイントロに導かれ幕を開けるのは、イーヴル色の濃いアートワークをまっとうするかのように、ドゥームというかストーナーというかサバティカルな重低音を主軸に置いたサウンドである。そこにROB CROW(どうやらここでの名義はLORD PHALLUSであるようだ)の線の細いヴォーカルが載っている。そういったコントラストは、聴きようによっては、ゴシックっぽくもある。まあ、趣向としてはおもしろい、と思う。が、音楽的なクオリティは、そこそこのレベルに止まっている感じもする。本式のヘヴィ・メタルと比べれば、やっぱちょっとリフが詰まらないのが欠点だろう。そこらへん、この形式が、アイロニーの産物なのか真剣さの賜物なのかはわからないが、いずれにせよ、もうすこし凝って欲しかったところである。
