ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年03月29日
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 THE HELLACOPTERS、BACKYARD BABIES、THE HIVESやHARDCORE SUPERSTARSなど、同じスウェーデン出身の、カテゴリーも同じくするであろうタイプのロックン・ロールをやっているバンドたちに比べると、よっぽど野暮で足が臭そうなところがPSYCHOPUNCHならではの個性だといえるのだけれども、ここ数作は、他のバンドたちと同じく黄昏れて、初期の頃のような向こう見ずに突っ走るスピードを若干落としつつあったわけで、まあ、それというのは結局、90年代に二十歳代だった人間が00年代には三十歳代にならざるをえない必然と無縁ではなかったのだとしても、音のなかに、肉のエネルギーがダイレクトで出力された、パワフルでがさつ、かつガッツ溢れるノリだけは、けっして損なわれることがなかった。そうして、通算6作目(半ライヴ音源を収めた『ORIGINAL SCANDINAVIAN SUPERDUDES』をカウントに含めれば7作目)である、このフル・アルバム『MOONLIGHT CITY』なのだが、いやいや、前作『KAMIKAZE LOVE REDUCER』もかなり良かった、しかし、もしかするとこれはそれよりも良いのではないか、と、やたら客気の高まる内容となっている。端的に特徴を述べるとすれば、メロディアスな面が以前にも増して全体に出た。そのへんはちょうど、BACKYARD BABIESが『TOTAL 13』から『MAKING ENEMIES IS GOOD』へと果たした変節を思わせもするのだけれど、あそこまでウェルメイドにポップなフィーリングを突き詰めてはおらず、ほどよいキャッチーさで、元来のシンガロング・スタイルの猛々しいコーラスを強化し、こう、勢いにまかせ身を乗り出したくなるような、たいへん煽動性のあるトピックにまで持っていっている。また、それと相まって、リード・ギターがメロウになびくなびく。がしがしと激しくリフが刻まれるそばから、情緒があって印象的なフレーズをそこかしこに残し、エモーショナルと形容しても良いほどの昂揚を導き出す。ときには甘美ですらある。そうしたワン・パート、ワン・パートがすぐれているのみならず、どの楽曲も一個の一個の単位で、くっきりと浮かび上がるぐらいの存在感を発しており、作品を丸ごとハイライトのかたまりに変えている。ヘヴィなベースのラインに誘導され、ダークな雰囲気のなか、ドラマティックに展開する3曲目の「ON MY OWN」などは、このバンドにしたら珍しいタイプのナンバーなのだが、ここにきて、こういう新境地ともいえる魅力を発見し、提示できているあたりも、えらい。たいへんにたいしたものである。

 『KAMIKAZE LOVE REDUCER』について→こちら
 『SMASHED ON ARRIVAL』について→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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