
SUMMERCAMPのティム・カレン、LAGWAGONのジョーイ・ケイプ、THE PENFIFTEEN CLUBのルーク・ティアニー、SUGARCULTのマルコ・ディサンティスといった一部の(あるいはごくごく一部の)パワー・ポップ・ファンからすればスーパー・グループと形容しても差し支えがないような、そういうメンバーでもって構成されているTHE PLAYING FAVORITESのファースト・アルバム『I REMEMBER WHEN I WAS PRETTY』は、まあ、普通に考えて、ハズレであるわけがないんだ。事実、サウンドのスタイルは、凝ったギミックを用いない、きわめて平均的なアメリカナイズされたギター・ロックでありながら、キャッチーなメロディというクリシェがぴったりはまる響きによって、とても引きが強いチャーム・ポイントがつくられている。基本的には、そのナンバーをソング・ライティングした人間が持ち回りでヴォーカルを担当しており、あんがい楽曲ごとの個性はばらけている(ヴァラエティに富んでいると言い換えても良い)のだが、散漫で統一感が希薄との感想を持たないのは、どれもが一定以上のレベル、クオリティをキープしているおかげだろう。すなわち、そうした質の高さそのものがTHE PLAYING FAVORITESというカラーへと還元されているのである。エレクトリック、アコースティック、アップ・テンポ、バラード、のフォーマットを問わず、兎角のびやかでさわやかな印象を伝えてくる。捨て曲がないとはこういうことなのかもしれないね、と思うなかでもとくに、まさにティム・カレン節の最高潮に効いた1曲目「LEAVING TOWN」で、いきなりノック・ダウンさせられてしまう。
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