ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年02月17日
 Food

 あのさ、〈デビュー当時より各メディアによりこぞって「ニルヴァーナのカートがシェフィールドで生涯を過ごし、モーターヘッドだけを聴いて育ったら…」と例えられる〉云々というこれはバイオグラフィからの引用で、もちろん喩えたほうとしたら気が利いているつもりなんだろうが、ずいぶんと間怠っこしいコピーでしかないし、カート・コバーンがシェフィールドで一生を過ごそうがMOTERHEAD以外は眼中になかろうが、こういうサウンドにはならないよね、とだけは間違いなくいえる。たしかに、トリオ編成であること、楽曲のなかに90年代のグランジィなニュアンスが備わっていること、そして演奏それ自体はパワフルなロックン・ロールのマナーに沿っていること等を、ZICO CHAIN(ジーコ・チェイン)の特徴には挙げられるけれども、正直、NIRVANAやMOTERHEADを引き合いに出すのは、すこし、当てが外れている。06年のデビューEP『THE ZICO CHAIN』や、ファースト・フル・アルバム(であり、日本デビュー作)となる『FOOD(フード)』から聴かれるのは、むしろ90年代半ばに急遽アメリカン・オルタナティヴ化したハード・ロック勢に近しい方向性なのではないだろうか。また、しいて今日のアーティストのうちより近似な発想を持ったアーティストを挙げるとすれば、同じイギリスのZEN MOTELや、あるいはアメリカのLIVING THINGSらへんになるのではないかと思うし、おそらくは極端にテクニカルな要素を後退させたスウェーデンのFREAK KITCHENといった見方もできる。しかして、パワー・メタル調といえなくもないメロディやダイナミズムがときおり顔を覗かせるあたりを、このバンドならではの個性と捉まえても良い。コンパクトにまとめられたポップ性を中心に据えながら、アグレッシヴな勢いを持ち、ライヴのシーンでは数倍に膨れあがりそうなエネルギーを、そこかしこに孕み、衝き上げてくる熱気が、豪快なグルーヴを練り上げる。滅茶苦茶に羽目を外した部分はないに等しいが、拳を振り回したくなるぐらいにうずうずとする轟音をやっている。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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