ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年10月17日
 HAPPY DAYS ビターチョコレイト

 『ロマンチストベイビー』がよかったので、山口いづみの既刊2冊も手に入れてしまったのだった。読んでみると、やはり、この人の作風はけっこう好みかもしれない。そういえば、『ビターチョコレイト』に収められた「little」は、雑誌掲載時に読んだことがあった。いや、女性向けのマンガ雑誌は基本的に購入しないタイプなのだけれど、たまたま、ね。さて。比較的に古いものを集めて出来ている『HAPPY DAYS』に関しては、どれも習作といったレベルで、死別した恋人を扱ったものが2編ほど含まれているなど、わりとステレオタイプな話し運びのものが多いが、しかし、それでも切なさの指数は高めで、いいんじゃないかな、と思う。亡くなった姉の恋人に、密かに想いを寄せる少女を描いた「願っても。」(H15年)にしても、安直なハッピー・エンドに落としていないところが、ひじょうに好ましい。わだかまりが、消えずに、残る、そういったポイントに現れるエモーションを、うまく捉まえている。そういった手腕は、幼馴染みと友人との間で、思わず揺れる恋心を扱った「この恋のカタチ。」(H13年)の頃からすでに生きているので、この作家の本質的な部分に関わるものなのだろう。『HAPPY DAYS』に対して、大きな事件が起るわけでもない、恋愛の機微たる出来事を、特徴的に示しているのが『ビターチョコレイト』のほうである。ここらへんにくると、初期の頃はかなり不安定だった画力も、かなり上達してきている。加えてモノローグ、つまり内面の示し方も、なかなか効果的に機能している。登場人物のルックスはチャラく、たしかにストーリー自体も深みはないのだが、しかし、ピュアだね、ピュア、ピュアでよろしい。こう、真っ直ぐに生きてゆく、そのことの姿形が、まばゆいぐらい、びしっと決まっている。

 『ロマンチストベイビー』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
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