ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年10月14日
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 そういえば、ちょっと前(もうだいぶ前になるのか)『クロスビート』誌でパンク・ロックの特集が組まれたときに、アメリカの若い、20代ぐらいのミュージシャンがこぞってリフューズド(REFUSED)のアルバム『SHAPE OF PUNK TO COME』をパンクの名盤として挙げているのを思い出した。あるいはザ・レターズ・オーガナイズ(THE LETTERS ORGANIZE)の『デッド・リズム・マシーン(DEAD RHYTHM MACHINE)』ライナー・ノーツにおいて、鈴木善之が、リフューズドを引き合いに出してザ・レターズ・オーガナイズのことをデイヴ・グロールが語っていた、と書いているのを読んだりなどすると、今は無きスウェディッシュ・ハードコア・アクトが、いかに後発の世代に影響を与えているのか、あらためて考えさせられたりもする。または、こういう言い方もできるだろう。いま現在アメリカのシーン(アンダーグラウンド)では、エモとは違ったやり方で、ポスト・ハードコアの可能性が模索されているとして、今後の方向性を占う上で、ひとつ、リフューズドの在り方が参考として生きるのではないか、と。なるほど。REVELATIONレーベルの気鋭たる5人組SICNE BY MANのセカンド・アルバム『PICTURES FROM THE HOTEL APOCALYPSE』も、たしかにリフューズドを彷彿とさせる、そういう姿形のサウンドを放っているのであった。

 SINCE BY MANの場合、02年のデビュー・アルバム『WE SING THE BODY ELECTRIC』は、カート・バーロウが制作に関わっていたこともあり、コンヴァージ(CONVERGE)以降のカオティック・マナーに則った、間断なく解体と再構築を繰り返す、歪曲して不協和な音響をまっとうしていた。とはいえ、エクストリームの領域でいえば、そのバンド・アンサンブルは通りがよすぎる嫌いがあり、むしろ、それを裏付けるフットワークの軽さこそがSINCE BY MANというバンドのキーなのではないか、と思えた。ベースとギターの相次ぐ脱退を越え、04年に発表された『A LOVEHATE RELATIONSHIP』EPにおいて、メンバー・チェンジが作用したのかどうかはわからないが、しかし、そうした指向性はさらに強まったといえる。重低音をするりとかわすような、弾んだリズムが、乱雑としながらも、具体的にまとまりのある、キャッチーなノリを作り出していた。このあたりが、なんとなく、リフューズドっぽい。そうしたセンをまんま引き継いだのが本作である。いや、相変わらずヴォーカルはぎゃあーと叫びまくっているし、楽器隊はがちゃがちゃうるさい。が、けっして精神の澱みを眼前に突きつけてくる類ではなくて、それらを洗い流す、フィジカルにアップ・テンポなエネルギーの発散として訴えかけてくる。アドレナリンをサージしろ。3曲目「YOUNG AMERICA」でうたわれるように「WE SHAKE IT, WE SHAKE IT, WE SHAKE IT TILL IT BREAKS」という気分なのだ。そうなりゃこちらも、とにかくシャッフルし続けようぜ、オーイエーってな具合である。

 しかし、また、しなやかにノイズを操りながら、忙しなくフレーズを入れ替えるギターが、煽るのだ。その、空白をあえて白色で塗りつぶしてゆくかのような、強迫観念気質のコラージュが、迫り上がってくる高揚に拍車をかける。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽。
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