ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年10月10日
 いっぽん! 7 (7)

 世界を目指しているので通称「世界」こと菅原と、主人公春の試合がメインの巻である。もちろん、彼らふたりの激闘も熱いのだが、しかし、もっとも燃えるのは、五十嵐と大嶋の大将戦なのであった。試合に関しては、あっという間に決着がつくのだけれども、その「あ」という間には、ひじょうに濃密な、漢(おとこ)の魂のぶつかりあいが含まれている。そいつが僕の胸を焦がす。左腕に爆弾を抱えながらも勝利のため〈もしそれで腕が壊れても後悔はしない〉という態度で試合に臨む五十嵐、だが迎え撃つ大嶋は、いっさい容赦しない、非情なほどに五十嵐の左腕を攻める。それを卑怯だと思うか、いや、大嶋が所属する黒羽高監督がいう、〈大嶋は正しいよ〉〈相手だって怪我をおして出てるって事はそれ相応の覚悟があるはずだ〉〈それに対してこっちも壊すくらいの覚悟を持たないと失礼だろ〉〈どんな相手だろーと自分の力を全力でぶつける〉〈俺はそれが本当のフェアプレーだと思うぞ〉。こうした言葉は、じつは先の戦いで、黒羽高の副将が、相手の怪我を攻めきれなかった、そのせいで試合を引き分けてしまった事実をも、反証のように、射抜いている。そうして試合は大嶋の圧倒的な有利で進む。しかし五十嵐は、諦めない、自分の力を出し切るまでは、けっして屈しない。その闘志に大嶋は驚きの顔をみせる。そのとき、一瞬生まれた隙を狙う五十嵐であったが、それは大嶋の仕掛けた罠なのだった。策を弄した大嶋はいう、〈たとえ腕折っても肝心なところが折れそーもねーんでな〉。ここでいう〈肝心なところ〉とは、まちがいなく、心や魂、意地あるいはガッツなどと呼ぶに値するものだろう。戦いの幕引きはあっけなく訪れる。だが、次の巻において、それを上回る壮絶な死闘が繰り広げられることを、僕は知っている。

 6巻について→こちら
 4巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
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