わーブレット・アンダーソン(元スウェード)みたいだー、と1曲目に収められたカメオ(キャメオ)のカヴァー「ワード・アップ」の、ジョナサン・デイヴィスのヴォーカルを聴いて、僕は思った。アイロニーなのかもしれないけれど、ファンキー(陽気さ)ではなくて、気だるい陰気さで楽曲がコーティングされているような印象を受けた。ちなみに「ワード・アップ」は90年代にガンというハード・ロック・バンドがカヴァーし、イギリスでスマッシュ・ヒットしている。もちろん、そこに因果関係はない。けれども、ポスト・パンクやニュー・ウェイヴを経て、インダストリアルを聴くようになったジョナサンの参照項には、たしかにイギリス的なメロディというものがある。
それが如実に表されたのが『アンタッチャブルズ』というアルバムであった。反面、バックで演奏をつとめる他のメンバーがルーツとするのがモトリー・クルーやアイアン・メイデンなどのヘヴィ・メタルやハード・ロックであり、それは『フォロウ・ザ・リーダー』というアルバムの、ダイナミックな展開へと結実している。このベスト・アルバムでは、デビュー作から最新作である『テイク・ア・ルック・イン・ザ・ミラー』までの楽曲が、新しいほうから古いほうへと遡るカタチで収められている。バンドのヒストリーが遡行されている。聴けばわかるように、ちゃんとした整合性の下で顕な影響元が、だんだんと整合性を失い、影響元が隠れていくという流れになっている。つまり、KORNというバンドの魅力であるイビツさは、デビューの時点で、すでに完成形にあったということだ。それ以降は、ほとんどアレンジと試行錯誤の繰り返しであったともいえる。うまくいった場合もあるし、うまくいかなかった場合もある。デビュー作がいちばん良いという意見が、ファンの大方を占めるのは、つまり、そういうことなのだと思う。
ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年10月12日
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