ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年10月10日
 第41回文藝賞受賞作。『文藝』冬号掲載。なんかタイトルで損してる気がするので、単行本化の際には、改題して欲しいというのがある。色ものっぽいのかと思ったら、ずいぶんと穏やかで落ち着いた内容だった。勿体ないと感じるのは、センスの違いなのかな。
 で、タイトルも含めて、その内容に表されていることを、簡単にいえば、ある人の営みはべつの人からみれば矮小であったり凡庸であったりするけれども、当事者にとっては他のなによりも重たい、という風なものだろう。最初のほうで主人公の「オレ」は、自分のことを中心に物事を考える人間はくだらない、みたいな発想を持っているのだけれど、失恋によって彼が傷つくのは、結局のところ、世界は自分を中心にして回っていないという事実によって与えられるダメージなのだ。
 アパシーとやさしさが共存する作風は、じつに『文藝』らしい、まさにJ文学の後継といえる。恋愛はセックス(性交)を軸として成り立つが、生活(共同体)は恋愛を軸としてはいない、という言い切りが、希望と失望のちょうど中間に位置するように書かれている。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書。
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