ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年10月10日
 文庫。『ハイ・フィデリティ』の作者による、ポップ・ミュージックにまつわるエッセイ。サリンジャー的というか、野崎孝風というか、村上春樹ちっくというか、な文体が、けっすかしてらあ、と思わせるし、主にカバーされている領域が、いわゆるギター・ポップばかりで、気取りやがって、と思わせるものの、なかなかの内容となっている。これは『ハイ・フィデリティ』にあったのと同じような感覚だ。過ぎ去ってゆく日々、変わりゆく自分、かけがえのない青春、そして音楽への真っ直ぐな愛情。
 
 十四歳のぼくは、ヘビー・メタルのリフにつつまれていないメロディなど絶対に信じようとしなかった。そして二十一歳のぼくは、悲しみを表現したソフト・ロックと、妻や犬やレコード会社の契約金にかこまれてほくそ笑みながらハイになっている男の自己満足的ソフト・ロックとを区別できずにいた。 P192

 僕なんかは、こういう表現にぐっと来たりするんだけど、それは、作者が自分について語る言葉がそのまま、音楽を語る普遍的な言葉として機能しているからなんだと思う。音楽=対象を自分に近づけるというのではなくて、対象がすでに自分の血肉のなかに分かち難く混じっている、そのことが言語化されているのだ。個人的には、ポール・ウェスターバーグのことについてが一項割いて書かれてあるのが、うれしい。そうだ。彼はもうちょっと評価されてもいい人である。


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
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