ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年10月05日
 きららの仕事 10 (10)

 いけないのである。まったくもう。『きららの仕事』を読むと寿司(鮨)が食いたくなるから、いけないのである。それはともかく。この巻を読んで確信したのは、僕が感情移入するのは、やはり、すさまじいストイシズムで職人の道を極めんとする坂巻の存在に、なのであった。『スシバトル21』準決勝、若き天才神原朱雀との戦いにおいて、いよいよ坂巻は、最大の秘策を披露する。1万本に数本しか網にかからないといわれる、幻のサケ、鮭児の握りである。「味」「食感」「香り」、それら三者によって引き出された審査員の味覚が、クールに振る舞う朱雀の、熱く滾る本性を暴露する。熾烈な攻防。はたして勝利の行方はどちらに。と、燃える展開である。それもひとえに、坂巻が、その身を削るような、修練のはてに会得した、ハイ・レベルな技を、あわやピンチといった場面で、まざまざと見せつけてくれるからに他ならない。また、勝敗の結果には、料理マンガの基礎を成り立たせるディシプリンの問題が、ちゃんと踏まえられているのも、よろしい。才能というものは、たゆまぬ努力によって、才能として開花するのが、ベストの形であるべきなのだろう。後半、主人公であるきららの出生の秘密が明かされ、これまでその影さえも描かれてこなかった、父親の存在がようやく物語に介入してくる。その絡み方次第では、さらに激しく熱い展開が期待できそうでもある。が、しかし、いけない。あーもう、寿司食べたい。

 9巻についての文章→こちら
 8巻についての文章→こちら
 7巻についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(2) | マンガ。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック

咬ませ犬伝説 濡れた仔犬こと神原朱雀という小者
Excerpt: 神原朱雀という男がいた・・・新進気鋭、才能ある鮨職人だ 今は解説役を甘んじてはいるものの 時に「節操のない 恥知らずの坊や」と罵られようが・・・ 時に「朱雀が子犬のごたる 情けなか顔でキャンキ..
Weblog: 慙愧の念
Tracked: 2007-05-04 12:27

=予約販売=北海道からお届けする幻の鮭!『
Excerpt: ご注意事項● こちらの商品は日付指定不可です。 ● 1日に何本もの入荷がある商品ではありませんので、鮭児の大きさを指定することは出来ません。あらかじめご了承下さい。 ● 万が一、鮭児を確保出来なかった..
Weblog: サケの日
Tracked: 2007-09-16 20:04