ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年09月22日
 影風魔ハヤセ 1 (1)

 始点は本能寺である。信長の危機を案じ、いの一番に駆けつけた光秀であったが、それが何者かにより仕掛けられた罠であったことを察する。謀叛を起こしたのは光秀という、「逆臣」の汚名を着せられたのである。はたして謀略を敷いたのは誰か。秀吉であった。織田信長を中心に戦国時代を舞台に置くマンガは、数多くあるが、信長殺しは秀吉によって実行された、という問題提起のされ方は、大胆で、勢いがある。その勢いに乗って、荒唐無稽な物語は、進行する。本能寺の変、自害したはずの信長は、じつは生きていた、生き延びている。それは、忍者に忍び寄れるほどの忍び、影風魔のハヤセの活躍によるものである。しかし、以前は数万の兵を率いた信長であったが、秀吉の見事なクーデターにより、そのすべては奪われ、今やハヤセと二人きりの軍勢にしか過ぎない。体制を立て直すため、いったん身を潜めることを決める。一方、表舞台では、秀吉と光秀の熾烈な知力戦が開始されていた。家康を殺害するため、秀吉は、配下の丹波忍衆を送り込み、信長生存を計算した光秀は、再起のときが来るのを待って、敗走は止むなしとするのだった。このマンガ『影風魔ハヤセ』の肝は、大枠の歴史は修正せず、アフター本能寺の変における、信長と秀吉の相克を、圧倒的なダイナミズムとして描いている点だろう。ハヤセら、忍びの活躍ぶりも、燃える。現在『イブニング』連載分では、信長がかつての直属の部下、滝川一益との接触を試みている。着地点としては、朝鮮出兵がじつは信長の手によって行われた、といったあたりが目指されているのではないか、という気がするけれども、いやいや先の読めない展開が続いており、すごく目の離せない感じになっているのだった。森田信吾の絵柄も、以前ほどのリアリティ・タッチではないが、その構図の取り方はやはり見事で、劇的なフィクションをさらに盛り上げる。しかし信長と光秀のかっこうよさは鬼である。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック