ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年09月19日
 REUBEN.jpg

 英ハード・サウンドのシーンには、未だ日本デビューは果たされていないが、しかし注視に値するアーティストが、いくつも存在しているように思う。たとえば、今月にセカンド作のリリースが予定されているOCEANSIZEなどは、ちょっと他に類を見ない、独特な雰囲気を持っている、にもかかわらず、アメリカのインディ・バンドほどにも関心を集めていなさげなのは、やはり、もったいない感じがする。もちろんREUBENも、その内実とはべつのレベルで、日本ではあまり熱心なファンを見かけない、そういうアーティストのうちのひとつに数えられる。

 とはいえ、デビュー作『RACECAR IS RACECAR BACKWARDS』には、ちょっと、辛いところがあった。それ以前、シングルの段階では、かなり期待筋であったのだけれども、アルバムはといえば、方向性を定めるにあたって、ソング・ライティングのスキルがうまく回っていないため、どうもぼやぼやとした印象に終始してしまっていた。

 だが、しかし。セカンド・アルバムにあたる、この『VERY FAST VERY DENGEROUS』ときたら、どうだろう。前作にも感じられたグランジィな感触、とくに歌メロとベース・ラインに現れていたそれが、いっそう太くなり、濃くなり、まるで、ひとつの断定であるような、迷いのない、強い、音を出すことに成功している。というか、ぶっちゃけて、まさにパールヴァーナマッドガーデンズとでもいうべき、90年代アメリカン・グランジのパスティーシュ、ワン・アイディアのワン・フレーズをフックとして機能させる系のサウンドを、それこそが自分たちの身上だぜという風に、躊躇なく、容赦なく、鳴らしまくっているのであった。これが、モダンでハイブリットなスタイルの全盛期といえる現在にあっては、逆説的に際立つ、シンプルさがこの上なく、激しく、燃える。トリオ編成だということもあり、演奏は、余計な脂肪のついていない、ソリッドな切れ味の鋭さを備えていて、そのへんも、楽曲のスタイルと、ナイスな噛み合いを見せる。タフでガッツのあるイメージが全体を覆い、ざらざらとした当たりをキープしながら、ひとつひとつの音はクリアに仕上げる、クリス・シェルダン(シェルドン)のプロデュースも、相変わらず、冴えている。

 シングル・カットされた8曲目「KEEP IT TO YOURSELF」など、否応なくニルヴァーナを想起してしまう、そのように、参照項ママなナンバーもあるけれど、それを瑕疵としてしまうのは早計で、ハンド・クラップのよく似合う、調子のいい、軽妙なリズムのはね方は、RUBEN固有のものだろう。いくつものパートを組み合わせつつ、7分に渡り、ダイナミックなグルーヴを数回転させる「RETURN OF JEDI」には、ひとしきり感心した。最後の局面で、ストリングスが鳴る、そこへ至るまでの構成に、バンドのポテンシャルが、ダイレクトに、反映されている。

 跳弾のようなアグレッシヴさは、アルバム全編を通じ、燃え尽きるピークを探っているみたい。止むことなく放射され続ける熱が、ひどく魅力的だ。

 『RACECAR IS RACECAR BACKWARDS』についての文章→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽。
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