ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年12月01日
 覇-LORD 10 (10) (ビッグコミックス)

 呂布や曹操のカリスマが目減りする一方で、『三国志』または『三国志演義』の人気人物たちがじょじょに物語に加わりつつある武論尊と池上遼一の『覇―LORD―』は、その、“超”三国志という副題に恥じぬ、豪快なアレンジと描写がしびれるわけだが、なかでも周瑜の一流ホストぶりには、思わず、ぶっ飛ぶ。女性受けしそうなルックス、また、それに相応しいチャラさでいえば、まちがいなく作中ナンバー・ワンであろう。〈オレの息子は少し堅すぎる……もっと“不良”にしてくれい!…〉と孫堅に声をかけられ、〈承知!グズグズにしてみせましょうぞ!〉と応えるところなぞ、周瑜さんってもっと真面目な人だと思っていたのに、と言いたくもなるし、同じくこの10巻で登場する荀ケの、やり手なのはわかるんだけれど、どうも華のない印象で描かれているのが、とても不憫に感じられてしまほどである。まあ、どうでもいいような話であるけれども、本筋に関しては、董卓を、主人公である劉備の立場からしたら、それこそ絶対悪的に扱ってしまっても構わないところを、そうではなく、心のねじ曲がった傑物と解釈したうえで敵対させようとする、そうした段取りに、やや手間がかかりすぎているため、率直にいって、まだるっこしい。もちろん、その点を、一般的に悪者のイメージがつよい董卓の人間性を深々と掘り下げる入念で野心的な作業、と良い目に評価しても構わないのだが、一方で、孫堅が、武論尊原作のマンガにありがちな、難病を患いながらも大儀に命を尽くすタイプでしかありえないので、結局のところ、ストーリーの練りにアイディアが不足していると受け取られても、致し方あるまい。

 9巻について→こちら
 7巻について→こちら
 6巻について→こちら
 5巻について→こちら
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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