ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年11月22日
 フランケン・ふらん 1 (1) (チャンピオンREDコミックス)

 うへえ。待望の木々津克久『フランケン・ふらん』1巻であるが、やはりこれは、ぐちゃぐちゃで悪趣味なホラーに対抗力のない人間には堪える内容であったよ。だって、そうだろう。だいたいの登場人物が、猟奇的に殺害されるか、人体をグロテスクに改造されるか、グロテスクに改造された人間に猟奇的に殺害されるか、するんだからな。とはいえ、作者の資質は、それを、あかるくシュールなコメディに変えている、このへんが作品の魅力であろう。あかるく、シュール、というと、なんとなく矛盾している感じがしてしまうけれど、じっさいにそうなんだから仕方がないじゃないか。天才的な頭脳を持つ斑木博士の研究所に住む謎の少女ふらん、おっとりとし、とぼけてはいるが、しかし彼女自身もまた生命工学に熟知した強者であった。行きがかり上、そのふらんにトラブルの解決を頼み込んだ人びとは、当人が望んだとおりであっても、一概にはハッピー・エンドと言い難い結末へと辿り着く。こうした基本的なプロットが、一話完結形式のなかで、次々とアレンジを変え、提出されるというのが、おおまかなつくりで、まあ、オムニバスな不条理劇におけるパターンともとれるが、人間存在の情念みたいなものを、かるくばっさりと裁断してしまっているので、こう、気分の暗くなっていかないあたりが、十分に個性的である。しいていえば、藤子・F・不二雄のSF(すこし・不思議)系短篇と平山夢明の小説のあいだのどこか、に位置づけることのできるようなセンスであり、マンガだと思う。

 『ヘレンesp』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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