ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年11月21日
 極道の食卓 4巻 (4) (プレイコミックシリーズ)

 このブログには、インターネットの世界においてクリティカルな、サブカルっぽさ、でなければ、オタクっぽさ、が足りないというのは、うすうす気づいてはいるのだけれど、それでも最新巻が出たばかりの○○や△△、あと□□あたりは、どうせ深い読みのなされた感想(たぶんね)があちこちですぐに上がるんだから自分がそれをやる必要もねえや、と、また今回も立原あゆみの『極道の食卓』を取り上げてしまうのであった。こういった姿勢をはたして、逃げているというのか、立ち向かっているというのか、それが問題だ。とはいえ、インターネット上における他のマンガ家たちに対する評価にくらべたら、もうちょっとこのマンガ家の魅力を、ネタではなくて、マジで語る人間が増えても良いだろう、と思う。さて。物語が開始された当初は、異色作ないし新境地と思われた『極道の食卓』であるが、この4巻では、立原がこれまでの作品でも頻繁に扱ってきた教育の問題や外国人入国者(不法滞在者)の問題、親子間に横たわるディスコミュニケーションの問題が、わりとシリアスに反復されている。まあ、どれもステレオ・タイプなエピソードといってしまえば、それまでだけれども、たとえば『不良レポート』にあった孤独や、『地球儀(ほし)』のあの深い絶望を、テーマはそのままに、こうしたユーモアを基調とする作品へと落とし込む、その執念は評価されても良い。だいいち、また「レッドデータブック」かよ、と、あいかわらずの使い回しに突っ込みを入れられる読み手も、ほとんどいないでしょう。広まらなかったメッセージを、手をかえ品をかえ、繰り返すことはアリとしたい。ただし、ここにきて『極道の食卓』という型がすっかりと出来上がった感があり、エピソードのつくりそれ自体から、ええー、と、こちら読み手に思わせるほどのパワーが乏しくなっているのも、たしかである。いや、ヤクザの親分同士がタイマンのあと、ミソ汁飲んで仲直りするところか、トロピカルな風情を演出するため、フラダンサーを呼び、流しソーメンの樋にカレーを流すところとか、その発想は、さすが、なんだが。

 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら 

・その他立原あゆみに関する文章
 『仁義S』
  5巻について→こちら
  4巻について→こちら 
  3巻について→こちら
 『ポリ公』2巻について→こちら
 『月の教室』について→こちら
 『喰人』1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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