
タップルートに関しては、デビュー作『ギフト』(00年)はけっこう熱心に聴いた。KORNあるいはデフトーンズ以降のダークさとヘヴィさを引き受けた上で、フレッシュなエネルギーを注ぎ込もうとする、そういう攻めの姿勢が、音のアグレッシヴさに反映されていた。でも、セカンド作『ウェルカム』(02年)は、どうもね、といった感じだった。同系統のアーティストの多くが、いかにも保守風に歌モノ化してゆくのと同様の指向が、そこからは受け取れ、こういうのは90年代にさんざん聴いたよ、やっぱりアリス・イン・チェインズは偉大だったのだな、メロディアスになればなるだけワン・フレーズにおけるボキャブラリーが貧しくなっていくのはどうしてだろう、結局のところギター・ロック的なカタルシスに乏しいんだ、などとしか思えなかった。さて、本作『ブルー・スカイ・リサーチ』である。作風としては、ぴったりと前作の延長線上に置かれたものでしかなく、サプライズもワンダーもゼロなのだけれども、メロディの響きに、やや変化が見受けられる。簡単にいえば、鬱屈の度数が減り、解放感が加わった。ああ、そうそう、ちょうどジャケットのアートワークに表されているような印象。ただ、そうしたイメージの変化は、ビリー・コーガンと共作した2曲目「ヴァイオレント・シーズ」と8曲目「ロスト・イン・ザ・ウッズ」、11曲目「プロミス」に負うところが、大きい。どのナンバーもポップさが前面に出ており、曲調自体はうねる感じであるのに、アップ・テンポな高揚を発している。バンドにとっては、もしかするとイレギュラーなものなのかもしれないが、アルバムをトータルで捉えた場合、それら3曲の果たしている役割は重要だ。暗くてどんよりとしたムードで、一本調子に陥りそうなところを、うまくカヴァーしている。しかし勿体ないのは、ジョナー・マトランガとの共作、5曲目の「コーリング」である。かなりフックのあるフレーズを持っているにもかかわらず、ハーモニーの重ね具合、コーラスの部分でメタリックに鳴るギター、そしてトビー・ライトのプロダクションも関係しているのだろうが、どうにもアリス・イン・チェインズの模倣に収まる、そういう佇まいになってしまっている。クオリティの面においては、賛成も反対もなく、そのあたりが逆に、このバンドはここらへんが限界なのかもしれないなあ、と変に納得させられるサード・アルバムなのであった。
