(1)『文芸誌の一年[二〇〇七年上半期]』……こちらが今年の新刊です。いわゆる文芸時評に近いスタイルなのですが、いくつかの小説を取り上げ、それらを論じてゆくというのではなくて、むしろ批評などを含めた作品周りの情報のほうをおもに、現代的な文学のシーンまたは純文学とされる小説群をかたちづくる環境の、その傾向を考察した内容になっています。正直なところ、どれだけ需要があるのかはわかりませんが、誰も面倒くさくてやらないだろうと思われることをやってやったぜ、との自負はあります(どんな自負だろう)。ほんとうは一年分をまとめたかったのですが、制作の工程上、今回は上半期分(というか一月号から六月号まで)の文芸誌に絞らせていただきました(それ以降は、また次回ということで)。まあ、それでもそこそこの文量になっています。PDFですが、いちおう表紙(→こちら)と目次・序文(→こちら)の見本を用意しましたので、興味のある方は、そちらをご覧になってください。
(2)『異者の攻防――佐藤友哉「慾望」論』……原稿用紙60枚ほどの長さで、佐藤友哉の短編小説「慾望」を論じたものです。
(3)『最果てにて――佐藤友哉「『世界』の終わり」論』……佐藤友哉の小説「『世界』の終わり」(『新現実』掲載のヴァージョン)をベースに、村上春樹からグランジからエヴェンゲリオンからJポップ等を経由し、90年代以降における自意識がいかなるものであったか、を論じております。
+このエントリは当日までいちばん上に表示されます。
『人生の鍛錬―小林秀雄の言葉』新潮新書 209