
正直なところ、日本デビューEPにあたる『ザ・ヴュー・イズ・アメージング(THE VIEW IS AMAZING)』は、ぜんぜんピンとこなかったマイ・オーサム・コンピレーション(MY AWESOME COMPILATION)であったけれども、いやしかし、ファースト・フル・アルバムである本作『アクションズ(ACTIONS)』は、いい、グッド・ヴァイブレーションな内容であった。今のアメリカの若い、おもにエモ系のアーティストがサウンドに組み込もうとするセンシティヴさやナイーヴさなどは、たとえば影響源としてスミス(モリッシー)やレディオヘッドの名前の挙がることが多々あるように、イギリスのシーンから由来したものであり、そのような意味において、イギリスのアーティストにとってはオーソドックスかつ得意とする表現パターンなのではないか、そこから発展して、センシティヴさやナイーヴさを、表現の中心に置くのではなくて、それを庇うようにコーティングしてゆく、そういう力強いメロディを形作ることが、イギリスの若いハード系サウンドの傾向になっている、それはアメリカのシーンで起きていることとパラレルであり、対を為すものである、というのが僕の持論というか推測であるが、まさにそれを実証する出来映えになっていると思う。ドラムのたたくリズムはわりと単調だが、上に載るギターの荒いノイズ、アンニュイなキーボードの響き、それらのコントラストが、ヴィヴィッドにうたわれるメロディと絡み合い、憂鬱に傾斜しつつある感情を、盛り上げながら、上昇させてゆく高揚感へと結びつく。バイオグラフィなどをみると、一般的にはデビューEPにも収録され炊いた9曲目「アズ・オールウェイズ(AS ALWAYS)」の認知度が高いようだが、僕はこれはイマイチで、推したいのはタイトル・トラックである「アクションズ」の方である。いかにもエモってますよという出だしから、思い切りのいい叫びを越えて、「きみとぼく」のディスコミュニケーションを雄弁に伝える、といってもそれは歌詞の問題ではない、儚く燃え、燃え尽きる、そのフィーリングが、フレーズとして、訴求力として成り立っている、そういったコーラスに至る。なかなか印象的なナンバーである。と、話はちょっとずれるけれども、聴きながら、あ、これ、雰囲気がなんとなく、日本のオーシャンレーン(OCEANLANE)あたりに似ているのかな、などと感じたりもした。
