ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年08月24日
 おせん 10 (10)

 料理マンガを成立させるためには、いくつかのパターンがあるように思う。いま思いついたものをざっと挙げただけでも、たとえば主人公が料理人だとして、人間ドラマに重きが置かれたもの、料理のレシピ的なものに重きが置かれたもの、また主人公が料理人ではない場合でも、料理をする、料理を食べるなどの分岐があり、そこから、先にならえば、人間ドラマ、料理レシピ的といった具合に分節することもあるし、あるいは主人公が料理人ではないにもかかわらず、その腕前がプロ並であったり、逆に素人料理(B級グルメ)にこだわるなどといったりの変節を設けることも可能だ。もちろん料理の種類、国籍などの差別化によって、さらに幾通りものパターンが生み出されたりもする。では、きくち正太『おせん』はどうだろう。一升庵という店それ自体を、総体として扱うことで、料理マンガとしては、かなり幅広の表現を達している。エピソードのメインを張るのは、ときに店で働く人たちであり、ときに店を訪れる人たちであり、ときに料理の存在そのものであり、そこいらへんのバランス感覚が、まさに絶品の味わいとなっているみたいだ。飽きが来ないともいえる。さて、そんなこんなで、10巻。ここに収められているのは、筍と不倫の終わり、すき焼きと夫婦の関わり、そしてワラビと料理人の驕りと挫折、の3つのエピソードであるけれども、どれも見事なまでに料理が、すごくうまそうで、なおかつ人間ドラマとして、ひじょうにうつくしい。ただし、ひとつ弱点があって、それはゲスト・ヒロインのキャラクターが、みんないっしょに見えることである。

 第9巻についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
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