
先日、CHIODOSを聴いたときにもすこし思ったんだけれども、ここ最近のEQUAL VISIONレーベルはテクニカル志向のメタル・リヴァイバルなんじゃあないか、と。それとも、アメリカのシーンがそういう流れなのかな。というのも、本作『DOPPELGANGER』は、シアトル出身のトリオTHE FALL OF TROYによるセカンド・アルバムらしいのだが、これがすごいプログレ・ハード(プログレ・メタル)なのだった。ドリーム・シアターとかシニックとかキングスXとかを好きな子たちがエモっちゃった風味な感じ。いや、じっさいに本人たちがそれらバンドを好きかどうかは知らないのだけど、すくなくともラッシュからの影響はあるのだろう、と推測できる。今のヤングなリスナーは、たぶん、マーズ・ヴォルタとの相似性で測りそうな気がするサウンドだが、僕などは90年代前半にスウェーデンからデビューしたキングストン・ウォールあたりを想起した。基本的に2分から5分、最長でも8分台の楽曲における展開自体は、それほど複雑だったり難解だったりしない、その分、プレイヤビリティの高い演奏が、劇的なドラマを描き、寄り道の多い進行の整合性と強度を高めている。ときおりトリッキーなフレーズをからめながら、細かい音を刻んでゆくギター、そいつに合わせてリズムをぐわんと歪曲させるベースの低音と、微妙に狂った拍子をしっかりとキープするドラム。メインのヴォーカルはなめらかなメロディをうたうが、その裏でコーラスがわぎゃわぎゃあと騒いでいる(よくよく聴けばこちらがメインのヴォーカルかもしれない)。バレット・ジョーンズのプロデュース(ミックス)は、わりと硬質な音作りに励んでいて、それがダイナミックな勢いをいっそう際立たせているみたいだ。つうかね、いや、もう、プログレ・ハード(プログレ・メタル)ファンの皆様方におかれましては、聴いて損のしない一枚であると思う。
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