
時間軸がぶっ飛んでる。今が2000何年だろうが俺は俺で好きなことをやらせてもらうぜ、という不敵な主張のようでもある。スウェーデン出身の4人組WITHCRAFTのセカンド・アルバム『FIREWOOD』は、もはやストーナーだとかドゥームだとかの域を逸脱した、タイム・スリッピンなオールド・スクールのハード・ロックなのであった。いやいや、デビュー作もたしかにレトロスペクティヴな印象が強く、眩暈がする思いであったが、これは、なんていうか、タガの外れたレベルで70年代フレイヴァーがふりかけまくられている。だいたい暗いとか(いや暗いのだけれども)、重たいとか(いや重たくもあるのだけれども)、そういった感想よりもまず、古くせえの一言を発したくなってしまう。ブラック・サバスとキャプテン・ビヨンドをミックスしたかのような、宇宙空間の歪みがなぜか霧のかかった深い森と繋がっている錯覚、そのような意味で、今この時代に聴くべき指数はゼロなのだが、それでも惹きつけられるのは、サウンド自体のスペックが高いからだろう。あえてシンプルなプロダクションでもって、どよーんとしたウェーヴを発する5曲目のあと、そのシンプルなプロダクションを生かしたまま、鬱蒼とした空気を晴らす疾風の勢いで、アコースティック調の軽快なインスト・ナンバーがいきなり飛び出してくるあたりに、音楽的な教養の深さを感じる。そういえば、僕は70年代のことなんて、ぜんぜん知らないじゃないか、記憶にない。それでも懐古的な風情と思えるのは、ある種のイマジネーションが渦巻いているからなのかもしれない。
