ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年09月12日
 間違いなくエモ云々といった流れに沿って登場したバンドだけれども、ほとんどメンバーが80年代半ばの生まれで占めており、たとえばアット・ザ・ドライヴ・インなんかと比べると、年齢的に一回り違うこととなる。ポスト・ハードコアの文脈に落としてみれば、もはや第五、第六世代ぐらいまでいっちゃってるかもしれない(もっとかな)。こうなってくるとフガジあたりを直截な影響元に挙げるのは難しい。

 すこしばかり先行するバンドであるポイズン・ザ・ウェルなどが、メタル(デス・メタル)などのテイストをうまい具合に盛り込んだ、そういう成果も本作からは聴こえる。が、しかし、それだって参照項は、オリジナルというか第一世代のメタル(デス・メタル)ではなくて、数世代(あるいは十数世代)あとのものだろう。ある意味では、血統書を持たない雑種なのであり、方法論やカテゴリーといったものは、そうしたところから突き崩される。

 じっさいにエネルギー先行のサウンドであると思う。頭でっかちな創意工夫は為されていない。それは型を食い破ろうとする。エモーショナルであったりラジカルであったり、あるいはリアリティを備えていたりするかどうかというのは、どうでもいい。とにかく現状に対して居た堪れなさを感じる、そのことがただ言葉や音となって鳴っているだけなのだ。

 たとえば「ノート・トゥ・セルフ」の歌詞に次のような一節がある。〈追いきれぬ速度、時が走りだす すっかり見飽きたシーンさ ルーチンを終わらせろ(以上、日本盤対訳より引用)〉。これもやはり先行するサーズデイが「オートバイオグラフィ・オブ・ネイション」のなかで、僕たちなんてのは結局のところ誰かのコピーでしょ、といってしまう感覚を、無意識のうちに乗り越えようとしているみたいだ。

 たしかにオリジナリティという部分を問えば、欠如はある。が、しかし、それを補って余りあるだけのヴァリューが、ここにはあると思う。テンションをハイにまで持っていっては、それを突如メロウにしならせるだけの力量もある。バラード調のアコースティックなナンバーでは、メロディ・メイカーとしての優れた才を存分に聴かせる。このバンドが兆しであるかどうかはわからないが、しかし、このぐらいの世代から、なにか世界を変えるような新しい動きがはじまるのではないかと、そういう感じがする。

 バンドのオフィシャルHP
  http://www.fromfirsttolast.com/
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽。
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