ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年08月10日
 いっぽん! 6 (6)

 楽して生きたいし、努力なんてしたくない。ははは、賛成、大賛成。だけど、それで得られるものってあるのかなあ。「ねえよ」と言われている。まあ、そりゃあ、乗り越えるものがあった方が、やる気が出るもんな。主人公である春が所属する酒高柔道部は、激戦を勝ち抜き、ついに県大会決勝へと進む。対戦相手は、宿敵黒羽高柔道部である。黒羽高で「世界」と呼ばれるルーキーが、春に向かって宣言する。〈私の名は菅原孝幸…いずれ世界一になる男だ!!〉。その言葉を聞いた春の心に、エンジンがかかる。この巻のハイライトは、春のチームメイトである橋と、その中学の頃の同級生近藤との一戦だろう。練習に真面目に取り組めなかったせいで、かつては格下であった近藤よりも、実力の劣ってしまった近藤は、春との出会いを通じて、クソみたいだった過去と訣別しようと決めた。その成果が、いよいよ試されるときである。近藤との実力差は、けっして埋まったわけではないが、自分が凡人だと認めた上で、それでも諦めをみせない橋の気迫が、じょじょに近藤を追い詰めてゆく。このマンガを読んでいると、負けや失敗から学べることって、きっと、たくさんあるんだぜ、って思う。弱い自分が悪い、という発想は、ポジティヴであることとネガティヴであることの両の面を持っている。それをどちらの側に転がしていくか、人はその間で揺れながら、悩みながら、奮闘しながら、前進してくしかないのかもしれない。と、それはそれで面倒くせえよ、という気持ちはわからないでもないけれども、才能や余裕のない人間はいつだって悔しい思いをするよ。坊ちゃんじゃないからさ。その悔しい思いを払うためには強くなるしかないのであって、強くなるためにできることなんて限られている。その限られたうちのひとつが、がんばることであるのならば、何を賭けてもやるしかねえんだった。

 第4巻についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
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