ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年09月22日
 怪談と踊ろうそしてあなたは階段で踊る (シリウスコミックス)

 野沢ビームによる『怪談と踊ろう そしてあなたは階段で踊る』のコミカライズは、竜騎士07の原作小説に、ほぼ忠実な内容だといえる。中学三年の退屈な季節に、友宏と博之、亨の三人組は、ちょっとした悪だくみを思いつく。それは「お骨サマの呪い」という、自分たちで作った祟りを、学校で流行らせることであった。黒板に書かれた無数の「骨」の字、校内のあちこちに落とされた骨骨骨、こうして〈僕たちによる祟りは次々と 不気味なイメージと共にばらまかれてい〉く。最初は意気揚々とする彼らだったが、しかし、同級生である田無美代子が、「お骨サマの呪い」によって意識不明の重体に陥ったことから、事態は一変する。いっけん和風ホラーの装いでありながら、ミステリの形式を意識したかのような謎解きの果てに、それなりに納得できる(ようなできないような)オチが用意されているのも、新伝綺と謳われた小説版のとおりであるけれども、だからこそ正直なところ、こちらのマンガ版のほうが、だんぜん出来が良い。それというのはまず、小説版では、語り手をつとめる友宏の、ふたりの友人が、結局のところセリフだけの存在でしかなく、やたら影が薄かったのに対して、ここではしっかりとした輪郭を持ち、少年期の倦怠に相応の実感が加わっているためで、さらには、小説版においては、やたら不自然だったマンガ的な言葉遣いが、じっさいにマンガのなかで喋らされているおかげで、変じゃなくなったのが、おおきい。後者に関してはとくに、友宏が刑事である叔母から事件の真相を知らされる段を読み比べていただければ、わかりやすい。エロティックな余韻を残す、結末の描き方も、小説版よりすぐれている、と思う。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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