ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年09月22日
 オレンジ屋根の小さな家 7 (7) (ヤングジャンプコミックス)

 もちろん言うまでもなく、誰がどのような信仰を持っていようとも、べつに構わないことなのだけれど、クリスチャンになってからの山花典之には、すこし戸惑う、というのが正直なところである。いや、それはなにも、単行本のコメント・ページにおける熱心なアピールぶりをいうのではないし、作中人物に主の教えを直截語らせてしまうあたりも、けっして違和感がないとはいわないが、かといって大きな問題とも思わない。むしろ、予定調和めいた結論のために、わざわざ、トラブルが起きたり、悪人が登場したり、心の傷が描かれたりするような、そういう話のつくりを見、ちょっとどうだろう、と首を傾げるのであった。不動産屋に騙され、赤の他人同士でひとつ屋根の下に同居する羽目となってしまった、父子家庭の正太郎一家と母子家庭の菜摘一家だったが、あれやこれやとするうちに親密さを増し、お互いに惹かれあうようになった正太郎と菜摘は、いよいよ、ほんとうの家族になることを決める。というのが、この7巻までにおける『オレンジ屋根の小さな家』の、だいたいの流れで、さすがに驚くのは、最初の頃は冴えない中年にしか過ぎなかった正太郎が、ルックス、能力ともに、まったくの別人かというぐらい、恵まれてしまったことだろう。これは物語の必然上そうなっているというよりも、作者の主張を代弁する役割を負わされた結果にほかならず、ご都合主義と多少は目をつむることができないほど、マンガそのものの整合性を完全に崩してしまっている。コミカルな展開のなかで、たしかに心あたたまる部分もあるだけに、細やかな配慮を欠いた手つきからは、いささか不満を覚える。

 『夢で逢えたら[文庫版]』第1巻 第2巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(07年)
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