ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年09月19日
 99%カカオ (講談社コミックスフレンド B)

 吉岡李々子の『99%カカオ』は、計3話で構成されたシリーズであるが、何度読んでも、ああ、もったいないな、という感想が出てくる。1話目は、なかなかの案配で、高く買うのだけれども、2話、3話と進むうちに、だんだんとテンションが落ちてしまう。「世の中平和が一番です」をモットーとするサユは、ふとしたきっかけから、とある男子と仲良くなる。そのとき彼女は、彼の名前を「由井」だと勘違いしたまま、まさか、ほんとうは友人をふった「神流」であることを知らない。このことが、やがて最大の障害となり、二人の関係をこじらせてゆく。そうして、初々しい恋愛の顛末が描かれることになるわけだが、1話目が良いのは、本質的には両想いであるような二者が、片想いという迂回路をとらざるをえないせいで、もどかしく、躊躇い、悩む、そのようなラヴ・コメ(ラブコメ)の真髄とでもいうべきものを、うまく掴んでいるためである。しかし、続く2話目では、それを受け損なっており、告白のタイミングなどに関しても、わざわざ、といった印象が、つよい。さらに付け加えれば、そのタイミング自体が、サユの友人、由香っていうんだけれど、そういう第三者の匙加減ひとつになってしまっている。このへんはねえ、正直なところ、〈サユは まわりに気ィ遣いすぎ!〉って説教くれる前に、おまえがもうちょっと、他人に配慮できる子になれよ、としか思わなかった。3話目ともなると、もはや蛇足の域に近しい。両想いを両想いだけで描くことほど難しいこともないのに、作者の力量が、あきらかに、そこまで達していないので、君たちが別れようが何をしようがどうでもいいよ、となる。せっかくの1話目が、もったいない。ちなみに、あわせて収められている「黄色い目の魚」は、佐藤多佳子の同名小説をコミカライズしたものだが、そちらの出来についても、力不足の感がある。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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