ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年09月15日
 14R (りぼんマスコットコミックス)

 槙ようこがすごいのは、話そのものにけっして手応えがあるというわけではないのに、ほとんど登場人物の造形のみで、作品をきっちりと読ませてしまうところである。もしかしたらそれが、俗にいう「キャラクターの魅力」ってやつなのかもしれないが、すくなくともこの作品集『14R』に収められている読み切り五篇のうち、起承転結式のちゃんとしたプロットを持つのは、せいぜい「恋をはじめる僕たちに」ぐらいで、ほかは設定からして意味不明瞭であったり、展開の唐突すぎるきらいがあったりするのだけれど、不思議と引き込まれてしまう。表題作「14R」なんかは、ほとんど学級崩壊しているクラスで、委員長の役を押しつけられている女子が、じつは不良めいたイケメンさんを好きで、という基本的なストーリーはともかく、終盤になっていきなり、それまで影の薄かった担任教師が満を持して教壇に立ち、小生意気な生徒たちに向かって、夢や希望を語り出すくだりは、どうしてそうなっているのか、前後の脈絡からはよくわからないのだが、しかし、それをおおきな不満とはさせない。力業といえば、そのとおりで、その力業はもちろん、登場人物の造形に拠っている。こうした作者の資質が、もっともよく出ているのは「ワタクシサマ」というマンガで、人気者でありたいために皆に良い顔をする女生徒が、とりつくしまがないほどに本心剥き出しな転校生に振り回される、といった内容は、とりたてて物珍しいものではない、にもかかわらず、くっきりとした両者のコントラストが描くドタバタ劇に、これはちょっと傑作だぞ、と思わせられる。

・その他槙ようこに関する文章
 『山本善次朗と申します』
  1巻について→こちら

 『たらんたランタ』
  2巻について→こちら
  1巻について→こちら

 『STAR BLACKS』
  2巻について→こちら
  1巻について→こちら

 『愛してるぜベイベ★★』
  7巻について→こちら
  6巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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