
アンチ秩序のギター・ノイズ、TRANSISTOR TRANSISTORのアルバム(フル作としてはファーストになるのかな)は、やはり、ナイスでデストロイな騒音のロックン・ロールなのであった。メンバーには元ORCHIDそしてBUCKET FULL OF TEETHの人がいて、この作品のプロデューサーは、年間何本ぐらいプロデュースやってんだろこの人、のカート・バーロウ(コンヴァージ)である。が、サウンドのほうは、カオティックというのとはちょっと違っている、どちらかといえばジャンクというのが相応しい、そういう不定型なエネルギーが、ある一定の方向にむかい、どこかだらしなく、しかし、そのルーズな様子がまさにイメージどおりであるような整合性と、確信に裏打ちされた強靭さでもって、激しく鳴り響いている。醍醐味は、メンバー4人が、せーの、の勢いで、ぎゃぎゃーん、と打ち出す、ダイナミックな音圧である。とはいえ、馬鹿の力押しみたいな感じはぜんぜんしなくて、綻びのないリフや、かっちりと決まったリズムに、知性の表出さえ伺える。アルバム全体のイントロである1曲目などは、キング・クリムゾンのポスト・ハードコア的解釈みたいだし、「パワー・コード・アカデミー(POWER CHORD ACADEMY)」という素敵なタイトルを持つ4曲目では、どすんどすん、とした重低音に、アンセインやヘルメットの面影が浮かぶ。トータル・バランスから見て取るに、完成度の追求ではなく、歪であったりするところが、表現それ自体の輪郭となっている、そういった内容だと思う。レベルの高い、崩れ方である。
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