ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年08月19日
 バイキングス 5 (5) (月刊マガジンコミックス)

 自転車のロードレースが描かれている風童じゅん『バイキングス』の4巻で、まず最初に指摘しておきたいのは、作中における次のようなちょっとしたセリフである。ワキの登場人物が、仲間の部屋を訪れたさい、本棚をのぞく場面だ。〈『ガムシャラ!』もあるナ〜〜! しかも秋葉書店初版だナ〜〜!〉と口にする、これはもちろん曽田正人の『シャカリキ!』をもじりつつ指しており、いや、そりゃあまあ物語自体に深く関わる個所ではないけれど、しかし作者の意識のうちには、すくなくとも先行するかのマンガの存在があることをうかがわせる。とはいえ、自転車競技を扱っているという共通項以上に、影響とおぼしき点はあまり見受けられないのだが、そういった引っかかりがある以上、両者の内容を比較してみたい気分にさせられる。要するに『シャカリキ!』と『バイキングス』の、おおきな違いは何か、ということである。大雑把にいって、『シャカリキ!』は、主人公テルに収斂する個の話であり、身体能力の向上は精神によってリードされていた。反対に、(物語が完結していないので、あくまでも現段階において、という前置きで)『バイキングス』は、まず身体能力のアドバンテージがあって、それに精神が追いつくなかで、登場人物たちが結束していっている。そのことはまさしく、主人公である一途とライヴァルのすばるが自分たちの高校の自転車部を立て直す、といったプロセスに顕著であろう。それこそ、この巻では、自転車部員たちの交流を通じ、みんなで、楽しく、強くなろう、の三点が、何よりも強調されている。ただし、それゆえにスポーツ・マンガにおいてカタルシスを催すような、ストイックな緊張感が弱まっているのもたしかで、このあたりのバランスをどうとるかが、今後の課題となってくるのに違いない。

 3巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(07年)
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