ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年07月18日
 古本的

 たぶんアレルギーかなんかのせいだと思うのだけれども、僕の体は古本屋に向いていない、体が痒くなるのだ。長時間店内に止まると、皮膚が膨れあがることもある。なので、ほとんどの場合、本は新刊で購入せざるをえない。中古CDに限っては体にそういう反応が出ないので、紙とか、それと紙についてる虫みたいなものとの相性の問題なのだろう。しかし、古本屋に通えないというのは、人生の大きな部分で損をしているのではないか。と、これを読んでいると考え込んでしまう、坪内祐三の古本本である。古本屋に足繁く通ったりして、そこで出会った本たちの、そのなかに含まれているサプライズが、ある種の薀蓄として、深く教養と結びつくかのように、語られている。たとえば高山辰三(高井辰三とも書かれているのだけれど、どちらかは誤植かしら)という人物の、著作に収められた夏目漱石に関するエピソード、漱石の家の電話いつも受話器が外してある、ある人が、それをどうしてか? と尋ねると、漱石が『電話はこつちからかける時にだけ必要なんだ!』と言った、などというのを読むと、なんとなく笑えてくる。ここで重要なのは、そういった本を、坪内がちゃんと手に入れていて、そこから文章を引いてこれるほどには、ちゃんと読んでいる、という事実なのである。前半はそうした古本にまつわるあれこれが綴られているのだが、後半はミステリ嫌いの坪内がミステリについて書くといった内容のものが収められている。どちらも、もともとは雑誌掲載のエッセイである。重たい読み物としてではなくて、軽い読み物として、シンプルに、おもしろい。

 『『別れる理由』が気になって』についての文章→こちら
 『私の体を通り過ぎていった雑誌たち』についての文章→こちら
 『文庫本福袋』についての文章→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
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