ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年08月10日
 白亜紀恐竜奇譚竜の国のユタ 4 (4) (少年チャンピオン・コミックス)

 架空の世界を題材とするファンタジーに、もはや過去回想シーンは付き物といえる今日この頃だけれども、所十三『白亜紀恐竜奇譚 竜の国のユタ』にとってのそれは、とても正しい使われ方をされているように思われる。というのも、この4巻では、前巻に引き続き、主人公ユタの幼少期をメインに、さまざまな因果の起こりが描かれているのだが、そうした過程は、あくまでも本筋の補助線なのであって、全体のプロットをぼやかすものでもなければ、物語内の登場人物たちを拡散させるものでもないから、である。おおよその伏線は、主人公の特殊な資質をめぐる運命を中心の点に、そこへ向け、引かれている。ちょっとした冒険心から祖父を喪ってしまったユタは、自分に流れるナノスの血に従い、祖父や父親と同じく、立派な竜使いになることを誓う。他方、腹違いの兄に反乱を起こされ、窮地に立たされた海王国の若き国王カドモスは、秘策のため、ひとりで山越えを果たそうとしていた。その途中で、偶然にも道案内を頼んだユタに、カドモスは、何気なく、五王国に伝わる伝説を話すことになる。〈やがてナノスの中より竜の言葉を解す者が現れ〉、そして〈“その者 五族を従え『降臨の地』の門を開く”〉と。ここだぞ、これがこのマンガのポイントだぞ。つまりカドモスにしたら〈その者を探し出すコトが私の使命〉なのが、しかし、その者がまさか目の前にいるユタであることを、このときはまだ知らない。こうやって書いてしまうと、へえ、そうなんだ、ふうん、ってな感じであるかもしれないけれど、いやいや、意外に直球であるがゆえ、ずばん、と印象につよく残る節があって、じっさいに読んでいると、そうか、今のところ単なる小僧にしかすぎないユタは、このあと、いくつもの紆余曲折を経、ひとかどの人物になっていくのだなあ、と、今後の展開に対しての期待値があがる。

 1巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(07年)
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