ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年08月09日
 ドロップ 1 (1) (少年チャンピオン・コミックス)

 『フィギュア王』NO.110(高橋ヒロシ特集号)に掲載されているインタビューによれば、品川拓(品川ヒロシ)の小説『ドロップ』がコミカライズされるにあたり、内容に感動した鈴木大(鈴木ダイ)が自分から作画を立候補したことになっているのだけれども、この1巻のカヴァー折り返しにある高橋ヒロシ(キャラクターデザイン担当)のコメントによると、鈴木を作画に指名したのは品川だということになっている。まあ、どっちでもいいし、じっさいは編集者の仕切りなんだろう(もしかしたら打ち切りが続く鈴木に対する救済措置で、高橋の提案なのかもしれない)が、鈴木にヤンキー・マンガを描かせるというアイディア自体が、何よりもまず駄目駄目だろう。そりゃあさあ、たしかに高橋ヒロシの弟子筋にあたるとはいえ、基本的には架空の世界を舞台としたアクションを得意とするマンガ家である(ぜひとも初期の傑作『BANG2』や『BANZAI』を読まれたい)。ケンカのシーンには一定の見応えがあるとしても、それ以上のチャームを作品から受け取ることはないし、そもそも品川の自伝的要素があるストーリーに関しても、ヤンキー・マンガに影響を受けた主人公が、実践でさまざまなことを学んでいく、というものであるけれど、ディテールが雑すぎて、お話になっていない。たとえば、不良デビューしたばかりの主人公が、はじめてケンカをするとき、自分が好きなヤンキー・マンガの作品名を〈ビーバップハイスクール…湘南爆走族…ろくでなしブルース…QP…Hey!リキ…クローズ…そしてWORST!!〉と列挙し、奮起するのだが、ここで単行本の4、5ページ目(要するに第1話目の扉絵)を見返すと、主人公の本棚に並んでいるのは「人でなしBLUES」という作品である。出版社が違う実在の単行本をそのまま描くのは、なにかマズい事情があるのかどうかは知らないけど、だったらセリフ中の「ろくでなしブルース」の部分をカットすればいいわけで、細かいところを突くようだが作中のテーマと密接に繋がった箇所である以上、こういうブレが説得力を殺ぐ(ちなみに『フィギュア王』NO.110のインタビューによれば、内容やセリフは品川がつくり、ネーム以降が鈴木の仕事らしいので、そのへんは両者のコンビネーションに問題があるのだろう)。あと時代設定がよくわからないのもバツ。この程度のクオリティでも、高橋ヒロシのブランドがあれば、みんな読むっていうのかねえ。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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