ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年08月04日
 新・漫画論―終わりの時代のはじまりのコミック

 たとえば、同じ05年に出版された伊藤剛の『テヅカ・イズ・デッド』も、島田一志の『COMIC IS DEAD』も、同じようにイギリスのロック・バンドTHE SMITHのナンバーをもじったものであったのは、おそらく同世代的(伊藤は67年生、島田は69年生)なシンクロニシティであったのだろうが、それぞれの内容よりももしかすると、両者が実践するマンガ批評のスタイルが、まったくといって異なっていることのほうが、じつは興味深かった。伊藤がアカデミックなことをやりたいのに対して、島田はジャーナリスティックなことをやっている、といった感じだろうか。いずれにせよ、島田の場合、もともとが編集者だというのがあるのかもしれなけれど、送り手であるマンガ家に寄り添う姿勢がベースにあり、それはインタビューというかたちでもって、顕著に表されている。そして、そのことはもちろん、この『新・漫画論 終わりの時代のはじまりのコミック』についても、いえる。正直なところ、島田の文章は作品論としてみたら、ぴんとくるところが少ないのだが、インタビューを、ひとつの作家論として解釈するのであれば、おもしろい話がいくつも転がっている。たとえば五十嵐大介に触れた項は、実質インタビューが含まれておらず、『海獣の子供』の(単行本発売以前の)レビューとして見ても、いまいち内容に踏み込んだものではないのだけれど、業界の内部で島田がどのように五十嵐と関わったか、的な裏話からは多少は得るものがある。また、『鈴木先生』で一躍ブレイクして以降、武富健治のインタビューはあちこちで見かけられるなかでも、ここに収められているのは、わりと濃い部類に入ると思う。まあつまり、内容的には良くも悪くも(あいかわらず、ね)、何かのさいの資料にどうぞ、というようなところである。

 『ROCK COMIC』について→こちら
 『ワルの漫画術』について→こちら
 『COMIC IS DEAD』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバック