てっきりブレット・トレイン・トゥ・ヴェガス(BULLET TRAIN TO VEGAS)というバンド名は、ドライヴ・ライク・ジェイフーのナンバーからとられているのだと思っていたのだけれども、日本盤のライナー・ノーツによるとそれは違うらしく、ええーうそっ、と思わず声を上げたくなるほどに、テンションの高いポスト・パンキッシュなサウンドが展開されている。プロフィールによると、なるほど、元GIVE UNTIL GONEの人たちだったのか。しかし正直なところ、03年の『PROFILE THIS』EPは、その挑戦的なタイトルとは裏腹に、騒然としているのは整然としていないだけで、どこかボヤけた内容であったわけだが、ファースト・アルバムにあたるこの『ウィ・プット・シザース・ウェア・アワー・マウス・アー』では、プロデュースとミックスをつとめたアレックス・ニューポートの、低音を膨らませながら鋭い高音を際立たせる音作りが功を奏したのか、目鼻立ちのくっきりとしたアグレッシヴさを聴かせる。激流の勢いである。とはいえ、その疾走感に誤魔化されてしまいがちだが、ギターのリフがすこし弱い。そのため、ワン・フレーズ、ワン・フレーズは、ところどころで格好良く響いているのだが、いまいち印象が薄められてしまっている。そこらへんが惜しく、オリジナリティあるぜとは言えない。が、放出される熱量に関してはオーケーとしよう。ほんとうなら、その熱量自体がオリジナリティであって欲しいところなのだけれども、いやそれは高望みだよとして、初っ端から佳作を飾るデビューである。なんだか、歯に物が詰まったような言い方になってしまっているが、まあつまり、そんな感じだ。
追記:『ロッキング・オン』9月号のインタビューによれば、やっぱりバンド名はドライヴ・ライク・ジェイフーからとったんじゃねえか。騙された。
