ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年07月27日
 バンビの手紙 (マーガレットコミックス)

 あきらかにポップなセンを狙っているふうなのに、マンガの舞台が地方だから、というのとは異なるレベルで、あいからず垢抜けず、どこかイモくさい作風が、もはや逆に個性でもあるように思える高野苺の『バンビの手紙』は、作者にとって初めての連載であり、相応の苦労があったことは「あとがき」っぽい欄に述べられているわけだけれども、まあ、たしかに技術的に拙いところは多分にある、としても、いや、これはこれでけっして悪い内容ではないよ、と思う。子供の頃に可愛がっていたバンビ(ほら、田舎だから)に逃げられてよりこちら、どうも自分は不運続きなのではないか、と思い込んでいる主人公の凛子は、そのせいもあって、なかなか幼馴染みの辰之に告白する勇気を持てずにいた。〈私はこうやって幸せになれないまま おばあちゃんになって死んじゃうのかなあ……〉と、ダメモトのつもりで、子供騙しのおまじないをかけたところ、それが効いたのかどうかはよくわからないが、諸事情から彼女の家に居候することになった同級生颯太郎の訪れとともに、いろいろなことがすこしずつ変わりはじめる。颯太郎の持っている暗さや、作中における人物関係などには、やや類型的な面があるけれども、それぞれのまっすぐにやさしい視線が織り成すドラマは、なかなかにファニーで、キュートなまとまりを持っている。ただし、である。やっぱり、多くの人に読んでもらうつもりであるなら、あとすこしの丁寧さが欲しい。

 『Shooting Star』について→こちら
 『愛し金魚』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ(07年)
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バンビの手紙 (マーガレットコミックス)
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