ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年07月27日
 誰がスッピン見せるかよ (マーガレットコミックス)

 幸田もも子の『誰がスッピン見せるかよ』は、なんていうか、頭のイタい子満載的な恥ずかしさのある作品集なんだが、しかしまあ、健全で奥手な十代(中高生)の自意識や妄想ってこんなもんだよな、と思えば、それをそのまま、個々のマンガの魅力とすることもできる。ぜんぶで五篇が収められており、めいめいシチュエーションは異なれども、自らの積極的な意志は、ただの勘違いであり、誰かに、好き、だとか、かわいい、だとか、そう言われることで、価値観が一変し、コンプレックスが解消され、ハッピー・エンドが訪れる、といった基本のラインにほとんど違いはない。ここでチェックしておきたのは、ヒロインたちの恋愛は、結局のところ自分を変えるための手段に他ならない、という点である。彼女たちがよく泣くのは、他の誰かがどうというよりも、自分が可哀想だからなのであって、要するに、彼女たちの願う好意は、自己愛のヴァリエーションに止まる。もちろん、これは作中であからさまになっておらず(そういうふうにはっきり描かれてたら引くしかないしね)、おそらく、作者の無意識によって隠蔽されている。ドタバタとしてユーモラスな作風からは、閉じた印象を受けることはないのだけれども、ストーリーのおおよそをつくっているのは、そのような登場人物たちの完全にスポイルされた感情である。

 『そんでむらさきどーなった?』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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