ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年07月24日
 デンドロバテス 2 (2) (ヤングチャンピオンコミックス)

 1巻の時点では、くどさをあまり感じさせない山根章裕の画もあり、現代社会の裏側で悪を裁く殺し屋を描いたものとして見たばあい、良くも悪くもスタイリッシュにまとまってしまっているように思われたのだが、「千の銃の男」の来歴に関するヒントがちりばめられた2巻からは、むしろ原作者である石渡洋司に一貫する悲痛なテーマが強まっているふうに感じられる。では、そのテーマとは何か。このマンガの題名になっている『デンドロバテス』というのは、作中で説明されているとおり「矢毒ガエル」のことであり、それは〈南米に棲む数センチの小型ガエル だがその皮膚毒は世界最強――…1gで五万人の人間を殺す……〉わけだけれども、同じく南米コロンビアの地で、無所属でありながらも多くの組織に恐れられる、つまり〈大を殺す 猛毒の小〉であるような黒髪の殺し屋(シカリオ)の異名もまた、「矢毒ガエル」イコール「デンドロバテス」であったことに由来している。たとえば、そこでいう「大」を体制(国家、権力)に、「小」を無名の個人に、「猛毒」を復讐や反逆へと置き換えてみれば、なるほど、石渡の過去作(『フロンティア』や『青侠(ブルーフッド)』等々)に近しい構図が浮かび上がり、そうして、このマンガに描かれている社会的な弱者の姿は、そもそもの国籍が何であろうが、自国に居場所はなく、さらには受け入れ先をどこにも持たない亡命者たちの像と、ダブる。

 1巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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