ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年07月21日
 天上天下 17 (17) (ヤングジャンプコミックス)

 大暮維人『天上天下』の概要は、5、6巻の時点でだいたい説明されていると考えて良いのであって、というのは要するにマイ・フェイヴァリットな俵文七の勇姿が目覚ましく、第106回天覧武会が開始されたあたりなわけだが、つまり作者のコメントにより「現実世界がそうであるように このマンガにはワキ役はいない」とされるそれらが、作中で述べられている〈暴の持つ魔力に屈する現実〉に抗っていく姿を、学園内格闘バトルのフォーマットに落とし込む、というものだろう。そして、ようやく、この17巻で、本格的に、第107回天覧武会(予備戦)が、幕を開ける。いや、ほんとうに長かったぜ、ちくしょう。過去回想編や歴史遡及編などで開示された背景や設定のなかで、現在に籍を置く登場人物たちがどう生きるのか、が、やはり本題なのであり、本筋であるのだし、それこそを描いてくれないことには、困る。しかし、まあ何といっても、この巻では、柔剣部の万年足手まとい菅野影定の(表紙の人ね)、面目躍如な奮闘ぶりが、良いよ。コンパクトな活躍のうちに、本来はワキにあたる登場人物が暴力の魔性を打破する、といったこのマンガのコンセプトが見事に達成されている。これはおそらく、物語上においては、文七が慎を殴りに向かったときには及ばないまでも、あれ以来の快挙だといえる出来事で、なるほど、そうしてみたら、菅野が戦いへ臨む直截のきっかけが、文七の発破だったというのは、すこしばかり象徴的である。

 16巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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