ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年07月06日
 新創刊されたカルチャー誌『Papyrus[パピルス]』掲載の短編。この小説『愛すべき猿の日記』は、読みはじめ、作者が乙一だと知らなければ、作者が乙一だと思えない風ではあるのだが、一気呵成に読み終えると、やはり作者は乙一だったと感心するような、そういうムードを持っている。暇を持て余した大学生たちがクスリでラリって、へらへらと人類の真実に達してしまう、まるで90年代半ば頃のサブカル調かつスノッブ的モラトリアム(今の若い世代もこういう感じなのかしら)の描写が鼻につくが、母親から送られてきたあるモノを契機に、日記を書きはじめ、本を読むようになり、やがて、一個の大人として成長してゆく、そうしたくだりによって、全体はちゃんと良い話として落ちている。そのあたりは、さすがに巧い。とはいえ、ライトノベル・マナーで書かれた、これまでの乙一の作品とは、やや違った気配をもっており、こういう見立てが正確かどうかはわからないが、佐藤友哉と西尾維新のちょうど中間ぐらいにぴったり置けてしまいそうな出来である。良い意味で、すばらしく、青臭い。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
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