ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年07月10日
 いちおうはギャグ・マンガに分類されるのだろうけれども、押切蓮介の『ゆうやみ特攻隊』は、掲載先が少年誌(でいいんだよね)の『月刊少年シリウス』ということもあってか、わりと、こう、燃える内容であるよ。9年前、悪霊に最愛の姉を殺された辻翔平は、いつか復讐を果たすべく、姫山高校の心霊探偵部に入り、先輩女子部員の花岡弥依と越島かえでにこき使われては、悲惨な目に遭いながらも、さまざまな霊現象をくぐり抜けることで、じょじょに臆病な自分を脱皮するのであった。基本的には、特別な霊感体質の花岡(隊長)に振り回される辻の不幸がおかしみを誘うのだが、そうしたエピソードを積み重ねるなかに、彼の成長がしっかりと記録されていることと、彼の姉の死がシリアスに刻印されていることで、ストーリーとして厚みのある、なかなかに熱い展開がもたらされている。おそらく、すでにさんざん指摘されていることだと思うけれど、この作者のマンガにおいては、妹ないし姉の存在が、ひじょうに大きな役割を持っている。たとえば、この『ゆうやみ特攻隊』の1巻と同時刊行となった『ぼくと姉とオバケたち』ならば、題名にあるとおり姉である麗子が、ご存知『でろでろ』なら妹の瑠渦が、といった具合に、設定から両親がほとんど排除されてもなお、家族のイメージをかたちづくるほどに、だ。もちろん、そうした関係性こそが、このマンガ家が得意とするギャグのパターンを支えている、というのはあるだろう。だが、ここではもうちょっとべつの色合いが濃く出ているようにも見え、ともすれば第7話(ケース.7)で、過去に苛まれる辻を〈あんまり過去に囚われてると前進できないよ〉と導く花岡の言葉は、亡くなった実姉の肩代わりであるような、そういう位置に近しい現れ方をしている。

 『おばけのおやつ』について→こちら
 『ドヒー! おばけが僕をペンペン殴る!』について→こちら
 『マサシ!! うしろだ!!』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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