ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年07月05日
 〈NASAが対宇宙用に極秘のうちに進めていた遺伝子レベルの人間改造計画が産みだした突然変異――それが“狗”であった〉が、しかし“狗”たちは、やがて人類に仇為すものとなり、そして一国を滅ぼすほどの殲滅戦によって駆逐された、はずだった。だが逃げ延びた“狗”は、世界各国に潜伏し、繁殖し、ふたたび蜂起するときを待つ。それを未然に防ぐため、秘密裏に“狗”を狩り続けるのが、“念呪者”と呼ばれる主人公に課せられた使命である。ふたたび夢枕獏(原作)と野口賢(作画)がコンビを組んだ『狗ハンティング』の1巻では、そうして“狗”対“念呪者”のハイ・スペックなバトル・アクションが繰り広げられるわけだが、直截的な武器の使用を主としていた前作『KUROZUKA―黒塚―』とは異なり、ここでは“念子”“念流”という、いわばサイキックな能力の攻防がメインであり、心理戦めいたロジックまで採用されている。その描きぶりに感心するのは、たとえば人工的な種族が人類に反旗を翻すというSF的なモチーフは、旧くからサブ・カルチャーの表現にお馴染みのものであるけれど、そうした汎用性のなかで、いかにして特殊能力の在り方をプレゼンテーションするか、ふるわれる手腕が、作品の魅力を引き立てているからである。

 『KUROZUKA -黒塚-』10巻について→こちら
 『KUROZUKA -黒塚-』9巻について→こちら
 『KUROZUKA -黒塚-』8巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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