ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2018年01月17日
 悪童-ワルガキ- 1 (近代麻雀コミックス)

 ギリギリの窮地で勝利できなかろうと一矢報いること、を描かせたら、さすがの志名坂高次である。それは『悪童 -ワルガキ-』の1巻でも見事に冴え渡っている。柿沢鉄男が中年でありながら「ワルガキ」と呼ばれているのは、ケンカ早く、ヤクザを怖れぬほどに肝は太いが、子供には優しい性分のためであった。飲む、打つ、買う、を地でいく男でもある。今日も今日とて、ヤクザと揉めたり、麻雀に興じていたりする。しかし、ああ、まさか。ひょんなことから運命が一変してしまう。いじめられ、自殺しようとした小学生、カイト(片平海人)と入れ替わり、カイトの代わりにその人生を引き受けなければならなくなったのだ。見た目は子供でも中身は大人、の立ち位置に目新しさは少ないかもしれない。けれど、作者ならではのえげつなさが『悪童』というマンガを特徴的にしている。物語の柱は、大きく二つある。一つは、小学生の姿を借りた主人公が、カイトの人生に対し、リヴェンジを果たすことであって、もう一つは、このような目に遭ってしまった主人公が、自分自身の人生、つまりは柿沢鉄男の人生に対し、リヴェンジを果たすことだ。さしあたり、無力でしかない少年が、リヴェンジを進める上で、いかなる優位性を得ていくのか。元手の乏しさを補うための工夫が、麻雀などのギャンブルとして展開されるのだったが、まあ、チョロくはないよね、であろう。むちゃくちゃな条件下、いとも容易く吊り上がっていくリスクが、作品そのもののスリルを倍増ししているのである。

・その他志名坂高次に関する文章
 『バクト』3巻について→こちら
 『凍牌 〜人柱篇〜』3巻について→こちら
 『牌王伝説 ライオン』1巻について→こちら
 『凍牌』10巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | マンガ(2018年)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: