ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年06月18日
 パラパル 5 (5)

 四条とのあいだに親密さを増していく小牧は、彼と過ごす穏やかな時間のなかで〈四条くんの匂いは / すき / 気持ちがいい / 全身をやわらかくつつむ / 何も混じらない / ほのかで純粋なプレ発情(恋心)の匂い――そしてそれは / たぶん / けして / “発情”には発展しない匂い〉を嗅ぎとり、だからハナ(小牧の頭に居付く謎の存在)が、異性間の付き合いをあくまでも生物的に捉まえて〈“四条”といる時 / 小牧さんは大抵心地良いと感じていますし / 精神も安定しています / メリットのある行動を共にするのは理にかなってますから / “鶴見”さんといる時などは結構不安定ですものね〉と言うのも理解できるのだけれど、しかしなぜか、疎遠になりつつある鶴見のことばかりが、気にかかって仕方がない。そうして石田拓実の『パラパル』は、この5巻で、登場人物たちの相関関係を、またすこし動かす。おおきなポイントは、いわゆる幽霊のようなものを、引っかけてしまった小牧が、霊媒師である鶴見の祖母と、ようやくの対面を果たすことである。鶴見の過去を含め、彼の祖母が、ここで語る多くの言葉は、おそらく、このマンガのテーマを暗示しているものだとも考えられる。まあ正直、そのへんのくだりと、精神と身体の結びつきをめぐる抽象的な理解は、よしもとばななに似たものを感じさせたりもするのだが、あそこまで自意識が肥大してはおらず、したがって排他的でもなくて、それをこうして、初期の頃には、岡崎京子あたりに通じるような性のニュアンスを描いていたマンガ家が、提示しているというのは、やや興味深い点であったりもするし、そのほかにもいろいろと言いたいことが出てくるのだが、すぐにはまとめられないぐらい、おもしろい。

 4巻について→こちら
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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