ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2007年06月17日
 Honey Bitter 4 (4)

 高名な医学博士の身辺警護にあたっていた私設調査室オフィス・Sの面々であったが、新薬発表のレセプションパーティの途中、会場であるホテルがテロリストたちによって占拠されてしまったため、大勢の人質を救うべく、警察に協力し、内部から状況の打開を試みる。小花美穂の『ハニービター』の4巻は、まるごと、そのような大事件(大案件)を扱っており、恋愛を含め、人間関係のレベルにおいては、さほどの進展はないのだけれども、これまでにちゃんと性格づけの行われている登場人物たちを、的確に動かすことで、ハリウッド映画じゃないんだから、という大袈裟なプロットのなかに、白けさせることのない、サスペンスの緊張をもたらしている。『こどものおもちゃの』の、というより、あの『パートナー』の作者であることを思い出させるような、そういう、うっすらと狂気の塗された描写も、君たち、眼が怖いよ、と場面場面で十分な効果をあげている。人の内面が読める主人公、珠里の能力は、ここで、テロリストたちの存在を、他者と異者、つまりコミュニケイトの予断を許す者とコミュニケイトの予断を許さない者のあいだに置き、むろんテロリズムによる暴力自体は悪だと見なしながらも、それを、理解しうる、理解しえない、の二項で判定してしまう行為を斥ける。後半の展開は、アクションに不向きな絵柄も含め、やや迫力に欠けるかな、という気もするけれど、中盤における、主人公とテロリストと人質たちの心理劇は、なかなかにスリリングで、読ませられるなあ。作者のあとがきによれば、5巻が出るのは、また1年後ぐらいになるらしいが、このぐらいのクオリティを、ずっと保っていてくれるのであれば、待てる。

 3巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(07年)
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